みんなの金融リテラシー

金融リテラシー入門:テーマ「住宅購入」ダイジェスト版

全15章からなる「金融リテラシー入門」の講座のうち、「住宅購入」の授業をダイジェスト版でお届けします。

お金のプロが伝授 貯金するなら「セールor定価」の答え

節約好きこそセールに注意……節約疲れが出て、ごほうびの額を高くしてしまいがち

セールはおトク! でも高額なムダ遣いの元凶に

7月は夏のバーゲンセールの季節。お店に掲げられた”SALE”の文字を見ると、心が躍りますよね? 吸い寄せられるようにお店に入ってしまう……という人もいるのでは?(私もそうです!)

セールの時は割引されている分、モノを安く買えますが、一歩間違えると無駄遣いの元凶にもなります。

今では皆さんのお金のご相談を受けている私ですが、実は社会人1年目のとき、夏のセールで洋服を20枚近く買い、10万円以上使ってしまったことがあります。当時のボーナスはかなり少額だったにもかかわらず、まとまった収入が入ったことでなんだかリッチな気分になったのでしょう。また、「50%オフなら洋服を2枚買っても1枚分の値段だから……」と気が大きくなり、セール会場で渡されるビニール袋に、気に入った洋服を4枚、5枚と放り込んでいくうちに、金銭感覚がマヒしてしまったのを覚えています。

当時は自炊をし、ランチにはお弁当を持参してコツコツと節約に励んでいました。しかし、たった1度のお買い物で、数ヶ月にわたって節約した3倍以上のお金を使ってしまいました。

節約好きはセールでムダ遣いをしやすい?

私も含めて、節約が好きな人はセールでムダ遣いをしやすいと思います。それは、おトクなものに目がない分、セールになると「今のうちに買っておかなきゃ」とまとめ買いをしがちだからです。それであれば、はじめから本当に必要なものだけを定価で買う方が、お金を貯めるうえで有利です。

また、いつもコツコツと節約している分、セールの時には自分にごほうびをあげることがありますが、日頃の節約疲れが出て、ごほうびの額を過剰に高くしてしまうのもあるでしょう。節約はもちろん良いことですが、その意識が高い人こそ、セールの罠にはまらないように注意したいですね。

セールで買うときには「ルール」を決めよう

では、セールでお買い物をしてはいけないのでしょうか? 決してそんなことはありません。セールを上手に活用しつつ、買いすぎないルールを作っておくのがおすすめです。

ルールは3つ。まず1つ目のルールは、なくても困らないものは出会ったその日に買わないこと。たとえば、きれいでかわいいアクセサリーが割引されていると、つい買いたくなりますよね? ですが、アクセサリーは明日持っていなくても困らないので、その日には買わずに帰るのです。

翌朝、やっぱりほしいかどうか、そして、買うためにわざわざもう一度お店まで出かける気になるかどうかを考えてみます。やはりほしいと思えば買ってOK、そうでもないと思えば買わないでおく、というルールです。

このルールに従うと、セール中に心惹かれるものの多くが、翌朝になると熱が冷めて買わずに済みます。

衝動買いを防ぐコツは?

2つ目のルールは、ほしいものを日頃からリストアップしておくこと。そしてセール期間になったら、お目当てのものがある売り場にだけ出かけます。セール期間にデパートに行くと、いろんな売り場を眺めて、つい想定外のものを買ってしまうことも。そんな衝動買いを防ぐために「ほしいものリスト」を作って、セールではそれを優先的に買うとよいですね。

一方で、セール期間以外にガマンしすぎないのもひとつです。日頃あまりガマンをすると、セールになったとたんに財布のひもが過度に緩んでしまいます。ほしいものの一部は定価でも買っておく方が、ストレスが溜まらずに平常心でセールを迎えられます。

3つ目は、値引き率と予算を決めること。もし、定価1万円のものが50%オフなら5千円ですが、70%オフなら3千円です。同じモノでも、値引き率によって出ていくお金は2千円の差になります。ですから、たとえば「セールでも70%以上オフしか買わない」と決めておくのもひとつです。こうすることで、買えるモノが絞られる分、セールの誘惑が小さくなります。

ただ、70%オフだからといっていくらでも買って良いわけではありません。70%オフでも3つ買えば本来の定価分の出費になります。どんなに安くても1シーズン5万円までなど、セールで使う予算を決めておきましょう。

今年の夏はぜひご自身のルールを作って、セールを楽しんでくださいね!

クレジット

文/加藤梨里

プロフィール

加藤梨里(かとう・りり)

ファイナンシャルプランナー(CFP認定者) マネーステップオフィス株式会社代表 保険会社、銀行、FP会社を経て独立開業。家計、保険などお金のセミナー、執筆、相談を行う。働く女性のライフプランと健康にも関心があり、慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科特任助教も務める。

マネーステップオフィス:http://moneystep.co/